この本を読み終わった後、心の中に、まるで『 晴れ渡った青空が広がった 』ようだった。こんなにも“爽快な気分”を与えてくれた物語を、他に知らない。この本は、オスメント君主演で映画化されたものだが、残念ながら私は見ていない。でも、先に本で読んで正解だったと思う。アメリカの映画誌で、「スクリーンで観たい良質な脚本」のNo.1に選ばれた秀作だけあって、実に心地よい感動作であった。母親に(厄介払いをされるように)置去りにされたウォルター少年。預けられた先には、大叔父の老兄弟 ハブとガースが、テレビも無い、電灯も無い、時が止まったような家で暮らしていた。子供の面倒なんか見たこともない老兄弟 と 都会っ子 の珍妙な一夏の生活は、少年を一人前の人間へと成長させていく。ウォルターは、謎に満ちたこの大叔父さん達に、若かりしころの、まるで、おとぎ話のように奇想天外な武勇伝を聞くが、この伝説のような逸話が、この物語の骨になっている。また、5匹の犬と豚(自分を犬だと思っている)、それと老ライオンの存在が、なんとも微笑ましく、物語に深みを与えている。『 子供を、ひとりの人間として認めた時、様々な教訓が返ってくる』そんな事を教えられる、心打つ一冊だ。
ウォルター少年と、夏の休日 動画
このシリーズの本は10冊以上は利用していると思いますが、この本は、精巧で忠実なシナリオの再現を為されている一冊だと思います。翻訳陣が素晴しかったのだと思います。
(このシリーズの中には、信じられないくらいにいい加減な再現の本もありましたから・・・・)
この映画は、この本を知るまでは知らなかったのですが、なかなか良い映画だと思います。英語教材として何度か聞き返すことになるかと思いますが、それも苦にはならないはずです。
南部訛りの英語が多用されていていることを理由にレベル設定が上がっているみたいですが、全体的には日常の平易な会話が繰り広げられており日本人の英語学習には良いものになるかと思います。
わけもわからず、おばかな母親に連れられてきたウォルター。強引に少年を預けられた二人の老兄弟が、人生において・・男として何が大事か、人生の体験とその実践の中で示していく。
アメリカ人の期待する父親像の一端を見た気がした。
堂々と生きる二人の男にウォルターは本当に大事なものは何かを学んでいく。